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焼岳の避難シェルターの秘密

焼岳の避難シェルターの秘密

穂高連峰への玄関口「上高地」は、素晴らしい自然を保護する観点から、自家用車での乗り入れが規制されています。

許可のある車両(タクシーやバス)以外はある地点からは通行を制限されるのですが、万が一強引に自家用車で入っていった場合は、待機している監視員より連絡をされて、警察が駆け付ける大騒ぎになってしまうそうです。

僕も車を指定の駐車場に停め、そこから乗り合いタクシーで上高地まで向かいました。

そしてその時に乗ったタクシーのドライバーさんが幸運なことにとても知識が豊富な方で、観光ガイドのように色々とお話をしてくれたんです。

紅葉の見頃の時期から紅葉する木々の種類、僕たちの乗った5人乗りタクシーが今では珍しいという話など、僕含め乗客はとても聞き入っていました。

そして慣れた口調で話は続いていきます。

皆さんが車を停めた沢渡(さわんど)駐車場から今回向かう上高地バスターミナルに向かう途中には、全部で10のトンネルがあります。

10個目のトンネルは「上高地トンネル」と言って、2年前の2016年7月に開通された比較的新しいものです。

あ、あんまり怖い話はしない方がいいかもしれませんね。ハハハ~



はい今、左手に見えている温泉が・・・・・

まあこんな話の中断のされ方をされて気にならないはずがありませんが、その時聞き返す乗客は一人もいませんでした。

僕もすこし眠かったこともあり、聞き流していました。

トンネルといえば心霊現象が発生するところも多いので、最初はその手の類かと思いました。しかしよくよく考えてみればマイカー規制されていて、自然豊かな観光地に通じるトンネルで何かの事件があったとも思えません。

ドライバーの話は続いていきます。

あと少しで、左に活火山で有名な「焼岳(やけだけ)」が見えてきます。

はい、ここから見えますね。今日は雲がないのでよく見えます。

焼岳は今も噴煙を上げる活火山で、1915年に大噴火しました。

みなさんが上高地に来て見に行く「大正池」という池がありますが、大正池はこの焼岳の大噴火により梓川の水がせき止められたことによってできたものです。



上高地の公式ホームページにも、その旨が書かれています。

焼岳の大噴火でできた大正池

鏡面のような美しい水面に、雄大な穂高の姿を映す大正池。立ち枯れの木々が幻想的なようすは、上高地を代表する風景のひとつとして多くのメディアに登場します。
大正池は1915(大正4)年6月6日の午前に突然あらわれた池です。焼岳が大噴火をおこし、その際に噴出した多量の泥流により梓川がせき止められてできました。水没した林は幻想的な立ち枯れとなり、神秘の景観をもたらしています。大正池はできた当時、梓湖と呼ばれたこともありますが、大正年間にできたことから今の名称が定着しました。

自然の力というのは想像を超えますね!

そうこうしているうちに、タクシーはいくつものトンネルを通り抜けていきます。

そして10個目の「上高地トンネル」に差し掛かる手前で、ドライバーさんが先ほどの話の続きを始めました。

これから通る10個目のトンネル(上高地トンネル)ですが、このトンネルはトンネル意外の役割も果たしています。

それは、先ほど見た焼岳の噴火に備えるための「避難シェルター」です。



噴火といえば、2014年の御嶽山(おんたけさん)の噴火が記憶に新しいですよね。たくさんの死者が出てしまいました。

焼岳も今度いつ大噴火をするか分かりません。

2年前、新聞やテレビで完成のニュースが取り上げられた時、「避難シェルター」の役割も担っているということは決して公表されませんでした。

しかし地元住民の間では、誰もが知っている事実です。

どうして公表されないのか分かりますよね?

もしも焼岳の大噴火に備えた「避難シェルター」であることが公表されると、観光客の不安を煽ってしまって、上高地に遊びにくる方の数が減ってしまいますからね。

 


 
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